ピアノは木工塗装です。塗装の作業工程は、素地調整→着色→下塗り→中塗り→研磨→補色→上塗りとあります。そして下塗り、中塗り、上塗り塗料の組み合わせを塗装系といいます。
塗装はこれらのどれか一つでも出来が悪かったり、または手を抜いたりすると必ず仕上がりにそれが出てきます。見て見ぬふりが許されない正直者が報われる仕事です。
中でもピアノ塗装は最も難しいとされています。
ワインレッド仕上げ着色の様子
調色について
調色とは色合わせのことです。木材の種類に合わせて色を合わせますがなかなか経験値が必要です。
色合わせはもちろん、木工塗装は木目を綺麗に出すことが大事です。
ナラ材の見本板に合わせて着色
パテ埋め補修
木目ピアノ傷にパテという粘土のような物を埋めて表面を平にします。青丸がパテです。その後筆で木目を描きます。
青丸部分に木目を描きました。描くだけならだいたい5分くらいでできます。この後木目が消えないように塗膜を付けたりしますがそれは2日くらいかかります。
ピアノ腕の傷修理例
パテ埋めで平にしてから木目を描きます。その後全体にクリアー塗装、クリアーを吹くと少し色は濃ゆくなります。
コースター作りで木工塗装の流れがわかる画像を紹介します。
まずはファイバーボードにツキ板を貼ります。ツキ板とは化粧板のことです。
ここではけやきの木を使っています。
ウォルナットのツキ板
マホガニーのツキ板
着色(ステインという塗料を使います)

仕上げはウレタン艶ありピアノ鏡面仕上げ。左上からブラック、けやき(赤)。左下からけやき、マホガニー、ウォルナット
けん玉もたまに塗ります。
2021年は1位になりました。その時の作品です。ギリシャのイアの町をテーマにしました。
2022年の作品
2023年の作品

ピアノ塗装の一部
古い塗膜のはがし。大変です。
ここまでできれば後は木工塗装の工程できれいに仕上がります。
着色
色を濃ゆくしてクリアー塗装で最後は鏡面磨き。色の濃さは好みとまわりのパーツに合わせるなど色々あります。